学びの内容
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研究室

 皆さんは,電気工学科の研究室がどういうものか想像できますか?
 最先端の研究を行っているところ…,部分的にではありますがそういう研究室もあります。毎日,半田ごてを使って電子回路を組み立てているところ…,毎日ではありませんがそういう研究室もあります。コンピュータの前で一日中プログラムを考えているところ…,確かにそんな研究室もあります。
 大学院の先輩とともに食事に行ったり,先生やみんなとお酒を飲みに行ったり,合宿に行って馬鹿騒ぎをしたり,そう,ちょっとしたクラブ活動という風に想像するとわかりやすいかもしれません。少し違うのは,1月末に締切がある卒業論文を書くために,実験データをとったり,プログラムを作ったり,4年生全員がそういう目的意識をもって生活をする場なのです。最近は研究のために徹夜をするということは殆どありませんが,それでも卒業論文提出の締切が迫っている最後の数日間は,みんな苦しい,寝る時間も少なくなる,そう,産みの苦しみを経験します。企業の研究室と異なるのは,目的意識の中に「利潤」という2文字が入っていないことぐらいです。そして,卒業論文を提出した学生諸君は,着実に成長していきます。
 工学部電気工学科には,通信・情報,エネルギー・制御,材料・エレクトロニクスの各分野,あるいは,それらの融合した分野に関わる研究室が12研究室あり,希望すれば工学部第二部電気工学科の研究室や外部の研究機関の研究室(平成30年度は,NHK放送技術研究所,国立情報研究所)でも研究することができるようになっています。先生や大学院の先輩などから直接研究指導を受けることが多くなります。
 理系の大学の研究室は,人と人との交わりを通して,自分が成長していく最も重要な場といえるのです。

研究室一覧

  • 電気工学分野
  • 情報工学分野
  • 電子工学分野
■ 電気工学分野(エネルギー・制御)
 クリーンエネルギーである電気をどのように発電し,送電,蓄積し利用していくかということがエネルギー政策にとって重要な課題です。個人の家で電気を作り,それを売ったり買ったりする場合にどのような電力システムにすべきか,発電所をどのように運転したら無駄をなくすことができるかなどを研究しています。
 また,ロボットや自動車などのシステムは,コンピュータを使用してインテリジェントに制御することが求められます。周りの状況を自動的に的確に認識し安全に効率的に動作するための自律移動・飛行ロボットの研究,人間との親和性を重視したコミュニケーションロボットの研究を行っています。

加藤研究室

加藤研究所
 様々なシステムの中で,コンピュータは外界の状況を判断したり各種装置を制御したりあるいは人間との情報交換を行ったりします。ここでは,制御工学,知的情報処理,3次元CG,バーチャルリアリティなどの技術を駆使し,知的で自律性の高いシステムや,人間との親和性に富んだシステムを構築するための研究を行っています。
  • 教授:加藤 清敬

小泉研究室

小泉研究室
 地球環境問題の主要因の一つはエネルギー消費です。現在および近未来におけるエネルギーの主役は「電力」であり,パワーエレクトロニクスは,省エネルギー,エネルギー有効利用の鍵となる技術です。研究室では,DC/DCコンバータ,インバータ,整流器など,小型高効率電源の研究を基に,分散型電源用電力変換装置,配電系統用電力制御機器等へ研究を進めて行きます。
  • 教授:小泉 裕孝
  • 助教:萬年 智介

植田研究室

植田研究室
 エネルギー資源問題と環境問題の解決に向け,太陽光発電システム等の持続可能な分散型電源の大量導入が進んでいます。本研究室では太陽光発電システム技術や分散型電源の電力系統への統合,電力エネルギーマネジメントについて研究を行っています。フィールドでのデータ計測やコンピュータ・シミュレーションによる検討を通じて,より効率よく,より環境に負荷をかけず,より快適に電気を使うための基盤となる技術の確立に向け,電気と社会の繋がりを意識しながら研究を進めていきます。
  • 准教授:植田 譲

阪田研究室

阪田研究室
 電気電子情報技術は,電気関連業界だけでなく,あらゆる産業界を支えている極めて重要な技術です。日進月歩で進歩し続ける電気電子情報技術を 医療・福祉や農業・食品といった電気関連業界以外の分野に役立てるための研究開発を行っています。もちろん,産業界のニーズに応えるために, 電気電子情報技術そのものの基礎研究開発も同時に進めています。ハードウェアとソフトウェアの両方を扱える専門家の育成を目指します。
  • 准教授:阪田 治
  • 助教:佐藤 康之

山口研究室

山口研究室
 電力システムは,社会を支えるインフラストラクチャーとして,地球温暖化問題やエネルギーセキュリティ,電源ベストミックスなどのエネルギー政策や,電力システム改革の推進といった課題に直面しています。本研究室では,このような課題に対し,再生可能エネルギーの大量導入やICTと融合したスマートグリッドの構築,信頼性と経済性を両立する電力システム運用を実現し,解決するための研究に取り組みます。研究では,計算機シミュレーションが中心になりますが,現物・現場に触れる機会を設け,現実的な課題を理解することも重視します。
  • 講師:山口 順之
■ 情報工学分野(通信・情報)
 携帯電話やインターネットが急速に普及して,通信・情報技術は今まで以上に我々の生活に欠くことのできない存在になっています。さらに地上ディジタル放送やCDMA, OFDMなどの新しい通信技術の導入で今現在も弛まない進化を続けています。遠く離れた相手に音声や映像などの様々な情報を場所や時間を意識せずに安全に伝えたい。そのためには,どこからでも通信が行えるようにするにはどうしたらよいか,情報の誤りをどうしたら検出・訂正できるか,情報の安全をどのように確保するかなど,更に 便利にするために解決しなければならない問題がたくさんあります。一方,私たちの生活のすみずみまで入ったコンピュータとその中の莫大なディジタル情報をいかにコンパクトに圧縮するかということも重要な課題です。音声・映像分野では分析,合成,認識といった研究が大きく進展し,高機能・大規模化が進むLSI技術と融合して更なる発展が期待されています。

岩村研究室

半谷研究室
 岩村研究室では「情報セキュリティ」を研究しています。情報セキュリティの研究とはデジタル化されて流通される「情報」をいかに安全に守るかという研究です。例としては2011年から本格化するデジタル放送やDVDなどにおけるコンテンツの保護技術があります。今後のユビキタス社会に適したコンテンツや情報の保護を実現する新しい暗号や電子透かしの研究が望まれています。
  • 教授:岩村 惠市
  • 助教:佐藤 光哉

長谷川研究室

長谷川研究室
 携帯電話や無線LANの普及によりどこでもネットワークにつながるユビキタス通信環境が実現され,インターネットを利用するアプリケーションが次々に登場しています。さらに高まるネットワーク品質と高速化への要求に対応していくためには,無線とネットワークを可能な限り高効率利用することが重要となります。本研究室では,状況に適応して自律的に最適化するコグニティブな無線ネットワークの実現を目指し,最先端複雑システム理論に基づいた最適化アルゴリズムや新しいプロトコルの研究を行っております。他大学や研究所と連携し,先端理論から実環境応用まで一貫したアプローチで研究しています。
  • 教授:長谷川 幹雄
  • 助教:馬 婧

浜本研究室

浜本研究室
 画像情報処理に関する研究を中心に積極的な活動を行っています。その研究内容はハードウェアからソフトウェアまでとても幅広いです。例えば,研究室で独自に設計したイメージセンサLSIを活用して,従来の200倍以上の速さで動作する画像処理システム,360度の全周囲画像を取得する画像入力システム,部屋内の仮想位置から見た3次元画像を取得する画像入力システムなどの開発を行っています。
  • 教授:浜本 隆之

半谷研究室

半谷研究室
 人とコンピュータの間でやり取りされる情報の質を,どのようにすれば高められるかという研究を行っています。例えば,同じデータ量でも「美しく感じる画像」を再現するにはどうしたらよいか,話しの中に含まれている「個人性」や雑音に埋もれてしまった「言葉」をいかに正確に抽出するか,署名をしたときに得られる筆記情報をもとに電子マネーが盗まれるのを防げないか…。企業や海外の大学との共同研究も積極的に行っている研究室です。
  • 教授:半谷 精一郎
  • 助教:雨車 和憲

村口研究室

村口研究室
 携帯電話などの無線通信システムやオフィスLANなどの光通信システムにおける多種多用な信号処理の研究を行っています。現在,特に注力しているテーマはソフトウェア無線に向けたオール・ディジタル受信機の構成と信号処理の研究,光通信では新しい光CDMAによるネットワーク構成と信号処理の研究です。さらにディジタルとアナログを融合した新しい機能を持った通信用ICの研究も行っています。
  • 教授:村口 正弘
■ 電子工学分野(材料・エレクトロニクス)
 持続可能であって生活をより豊かにできる技術革新をめざし,モノの基本に立ち返った材料・エレクトロニクスの研究を行っています。成熟したIT時代の今は技術の大変化点でもあります。世界を結ぶ都市・社会インフラ,ヘルスケア・医療,或いは環境・農業などにて電子工学の新たな応用が求められており,これにデバイスとシステムの両面から取り組んでいます。デバイス面では,各種光デバイスに用いられる化合物半導体の作製とその電気的・光学的特性の評価,超消費電力かつ高性能な新規回路の開発,電荷とスピンの両方を活用する素子の応用,センサ領域拡大と処理方法の研究等を行っています。システム面では,将来の高速大容量フォトニックネットワークの構築に不可欠な,高繰返し超短光パルス発生器の開発や,超高速光情報伝送・処理システムに関する研究等を行っています。

河原研究室

河原研究所
 エレクトロニクス発展の方向性のひとつは,生体を含めた物理世界の(アナログ)情報と,クラウド・通信機器にて扱うデジタルビットの情報とを賢く繋ぐ部分の深耕です(- AI on "Things" -を提唱)。本研究室ではこの発展に寄与できる,超低消費電力かつ高性能な新規素子・回路・システム,スピン流応用(メモリ,発電),IoT分野のセンサ領域拡大と処理方法,アナログ・デジタル混載集積回路に関する研究を進めています。応用は広く,豊かな経験への知の創造活動も支援できるConScienceの基盤となる技術です。
  • 教授:河原 尊之

福地研究室

福地研究室
 将来の光通信システムでは,1テラビット毎秒を遥かに越える超大容量伝送能力が要求され,用いる光パルスの幅はピコ秒からサブピコ秒の領域に達します。このようなシステムを構築するには,光領域における多重化・符号化技術を駆使する必要があります。さらに,電子技術によらない全光学的な超高速情報処理システムや,サブピコ秒級の超短パルス光源の開発が必須です。本研究室では,光多重化・符号化技術や分散補償技術を駆使した光ファイバ伝送路の長距離大容量化の研究,非線形光学効果を用いた全光超高速情報処理に関する研究,高繰返し超短光パルスレーザの開発等を行っています。
  • 准教授:福地  裕

研究室訪問

「新しい署名認証システムを目指して」半谷研究室

新しい署名認証システム
 署名は,今や私達日本人にとっても重要な個人認証物となりつつあります。クレジットカードを使うときに,署名なしでは物を買うことはできません。海外旅行をするときでも,国によっては入国書類に署名を求めてきます。指紋や顔画像,静脈パターンなどのように人間の身体的な特徴を用いて個人認証する技術をバイオメトリクスと呼びますが,実はこの署名を用いる個人認証技術もバイオメトリクスの一種なのです。ただし,署名は身体的な特徴とは異なり,書くたび毎に異なりますから,そうした変化をどのようにしてうまく吸収し,真似された署名をどうやって排除するかがとても重要な技術となります。

新しい署名認証システム
 半谷研究室では,署名をしているときのペンの傾きが時間とともにどのように変化するかということに着目し,新しい署名認証方法を提案,すでに特許もとっています。これは,ペンの傾きが,署名をしている人の手の大きさや習慣を大きく反映するにもかかわらず,真似されにくい情報だからです。図1と図2は異なる人が書いた署名ですが,非常によく似ています。けれども,ペンの傾きの時間変化を調べると,図3のように全く異なっているのです。

 将来は,持ち主の書き癖をデータとして蓄えておき,持ち主以外がそれを使おうとするとインクが出なくなったり,アラームが鳴ったりするペンも実現したいとか。ドイツの大学や研究所と共同研究を進めているので,いつもドイツからの交換留学生がうろうろしています。日本発の技術をいつも目指しているアグレッシブな研究室です。

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  • 大学院 工学研究科電気工学専攻